今回は明智光秀の娘で、細川忠興の妻細川ガラシャ(玉子)さんが、キリスト教に興味を持って、改宗も考えていた時の占いを見ていくわ。
いつもはルノルマンカードを使ってたグランタブロウをしているけれど、今回はタロットカードを使ったケルト十字で見ていくわよ!
ケルト十字を読み解きながら玉子さんの歴史的な背景や周囲の人物なんかを見ていくわ。
今回の流れは、
という流れね。
絶世の美女だったと言われる玉子さん。
そんな彼女の人生を、占いを通して見てみましょう。
細川ガラシャさんの人生
さっそく、彼女の人生を見てみましょう。
ガラシャ(Gracia)さんは洗礼名で、本名は玉子(たまこ)さんよ。
玉子さんは、明智光秀の三女として生まれたわ。
子供の頃から利発な子で、光秀にとても可愛がられたようね。
玉子さんのお母様は煕子さんと言って、美しい方だったのよ。
光秀に嫁ぐ直前に疱瘡にかかり、左頬に大きく疱瘡の痕が残ってしまったの。
けれど光秀は、「疱瘡の痕なんて気にしない」と言って煕子さんと結婚したそうよ。
さて、玉子さんの夫の忠興さんとは、父・光秀の主君・織田信長の命で嫁ぐことになったの。
これは信長の「主命婚」という主君が家臣に命じて婚姻を結ぶ構想に基づく婚姻であったのが特徴ね。
この時点で玉子さんの心の中には、
「女とはなんなのか・・・?自分の存在とは何であろうか?」
という小さな疑問があったかもしれないわね。
とはいえ、忠興は玉子さんを大切にしていたと言われているわ。
忠興自ら金箔をはり歌を書いた百人一首を玉子さんに贈っていて、何枚か現存してるのよ。
嫁いで4年目に有名な本能寺の変が起こったのね。
父・光秀が信長に謀反を起し、その後光秀は討たれたわ。
結果、明智の一族は「謀反人の一族」として討たれたのだけれど、夫・忠興は玉子さんを失いたくなかった。
そして、玉子さんを味土野(現在の京都府京丹後市弥栄町)という場所の山の中に幽閉して隠したの!
この時、玉子さんは妊娠していて、通常の体調とは違う状態にもかかわらず山道を歩いて移動することになったわ。
残念ながら、子供は死産だったの。
そうして山中での幽閉生活は2年弱に及んだわ。
この間、玉子さんを支えたのは結婚する時に付けられた小侍従や、細川家の親戚筋の公家清原家の娘・マリアさんといった侍女達だったわ。
人の少ない静かな山中で、子を失い、
「この世とは、生とは、人とは何であろうか?」
と考えたかもしれないわね。
思考にふけりやすい環境下でマリアさんが与えた影響は大きかったわ。
「マリア」という名前から想像できるように、彼女はキリシタンだったの。
幽閉生活が終わり忠興の元に戻った後、玉子さんは本格的にキリスト教について知っていくことになるわ。
因みに、幽閉生活から戻ってきた玉子さんに夫の忠興は側室を紹介したの!
寂しい山の中で隠れるように暮らしていた玉子さんにとって、これは頭に来る事よね!
気持ちの持って行き場のない彼女は、興味を持ち始めていたキリスト教へ傾倒していったのかもしれないわね。
キリシタン大名・高山右近の話を聞いたり、書物を読んだりしてキリストの教えについて学んでいったの。
もともと気位が高く、激しい性格の玉子さんだったけれど、思うことの多い人生の中でキリストの教えを知ることで、忍耐強く穏やかになっていったと言われているわ。
さぁ、この辺で玉子さんのケルト十字の結果を見ていきましょう!
細川ガラシャさんのケルト十字の結果
玉子さんは、
「改宗したいと思っているけれど、どうしよう…?」
というお悩みで占いをしたのよね。
ということで、占術はタロットカードを使ったケルト十字にしてみたの。
なんかグランタブロウはしっくりこなくてね・・・(笑)
結果はこうだったわ!
- カードの配置
1.現状:ペンタクル8
2.試練:ワンド9
3.目標:星(逆)
4.原因:皇帝
5.過去:ワンド女王
6.未来:ワンド3(逆)
7.本音:ペンタクル騎士(逆)
8.周囲:ソード7
9.将来の気持ち:ペンタクル3
10.結果:ペンタクル7(逆)
現状を表すカードは「ペンタクルの8」。
これは時々で引っかかっていた小さな違和感が積み重なって、形を成しつつある…という感じね。
これは、彼女の人生の中で時々に感じていた「自分の力でどうにもならない何か」に対する思いを救うために見出したキリスト教への思い。
そして、周囲の侍女たちと共にキリストの教えを学び広めている状況を指していると感じたわ。
試練を示すカードは「ワンドの9」。
気持ちの上では洗礼を受けるまであと一歩。
けれど思い切って踏み出すことができない心の状態が試練になっているのかしらね。
玉子さんは一度、教会に赴いた先で洗礼したい旨を伝えたことがあったの。
けれど、玉子さんがどんな立場の人か分からない教会側で、トラブル回避の意味も込めて洗礼はしなかったのね。
そしてコッソリ家を出てきた玉子さんは、侍従に見つかって連れ戻されているの。
その事を思うと、次の機会を得るのは大変なのは確かだし、協力した者がどんな目に合うかとか、夫の立場とかを考えれば、なかなか踏み出すことができないのは当たり前よね。
目標を示すのは「星」のカードの逆位置。
目標が改宗とすれば、その予定は伸ばし伸ばしになっている状況を指しているわね。
先が見えなくなっているということね。
原因のカードは「皇帝」ね。
そもそも目標が伸ばし伸ばしになっている原因は、夫。
これが「皇帝」のカードの形で出ているのね。
正位置で出ているところを見ると、玉子さん本人は夫の判断が正しいと認識したうえで、目標が先延ばしになっている原因として見ているということね。
夫の忠興は、玉子さんを屋敷の外に出さないのよ。
人目に触れるのをとにかく嫌がるの。
重いのよ、愛が。
だから教会に行くのも難しいってワケね。
過去から未来のカードは、「ワンドのクイーン」(過去)と「ワンドの3」の逆位置(未来)だわ。
ワンドのクイーンが指すのは、愛情や情熱をもって玉子さんに仕えてくれた女性の存在を指すわね。
過去に、この女性がいてくれたことが今の彼女に大きな影響を与えたのね。
おそらく侍女の清原マリアさんじゃないかしら?
彼女はキリスト教信者で、たびたび玉子さんにもキリストの教えを伝えてきたわ。
幽閉生活の中で、彼女が玉子さんに与えた影響は非常に大きかった。
けれど、未来はワンドの3の逆位置。
状況は困難で、そう簡単に改宗できるものでは無いということを示唆しているわ。
最後は、
7.本音:ペンタクルのナイト(逆)
8.周囲:ソード7
9.将来の気持ち:ペンタクル3
10.結果:ペンタクル7(逆)
この四枚を一気に見ていくわよ。
彼女の隠れた本音は、
「改宗して、得るものはなんだろう?自分が負わねばならない周囲への責任も果たせそうにない。」
と言ったところ。
玉子さんの周囲の人々は、彼女に対して
「玉子さんは周囲の人に対しては負えるだけの責任は負っている。
夫や子供に対する責任を負えないと思って、動くことができずにいるのだろう」
と感じているみたい。
将来の気持ちとしては、
「改宗」という大きな動きによって一気に事を進めるのではなく、小さな事を少しずつ実行し、小さな変化や収穫を積み重ねて、それを喜びとできる日々が来る、と出ているわ。
「改宗しようと思っているけど、どうしよう?」
という悩みの回答としては、「改宗」という大きな実りを一気に得るのは難しそうね。
周囲を少しずつ巻き込んで、小さな改革を積み重ねるしかなく、その小さな変化・改革・収穫は玉子の日々の喜びになっていく
と、なったわ。
最後は、玉子さんがその後どうなったのかを見て、終わりましょう。
まとめ
玉子さんは、侍女たちと共にキリスト教の教えを学び、徐々に侍女や周囲の侍従も洗礼を受けてキリシタンとなっていったわ。
部屋から出られない玉子さんは、神父から洗礼法の教えを受けた清原マリアによって邸の自室で洗礼を受けることにしたの。
夫・忠興が遠征で不在の隙をついて、マリアから洗礼を受けてガラシャとなったわ。
時勢は、秀吉によるバテレン(キリスト教)追放令の出ているタイミング。
忠興は玉子さんや侍女たちが洗礼したことを知ると、激怒して侍女の耳や鼻を削いだり、「側室を5人持つ」などと言って、玉子に棄教するように脅したわ。
それでも玉子さんは棄教しなかったのよ。
今回は、キリスト教に改宗したい玉子さんの相談だから、ここで終わりにしましょう。
玉子さんのその後は有名だから、wikipediaなんかでも知ることができるわ。
- 参考文献
三浦綾子『細川ガラシャ夫人』
井上 章一, 呉座 勇一, フレデリック クレインス, 郭 南燕. 明智光秀と細川ガラシャ. 筑摩書房. 2020
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