今回見ていく占いは、デュ・バリー夫人よ。
フランス国王ルイ15世の最後の愛妾ね。
参照:wikipedia
マリー・アントワネットさんとは仲が悪かったのは今でも有名よね。
実際のところはマリー・アントワネットさんが一方的に嫌っていただけで、彼女は誠実に対応していたわよ。
当時のフランス王室における愛妾の役割といったものも、マリー・アントワネットさんは理解していたかしら…?
ドゥ・バリー夫人って、なんていうか愛されるキャラというか、とても人から好かれる人だったのよね~。
明るくて、気風もいい姐さんって感じで、付き合いやすい感じだったわ。
そんな彼女だけど、ルイ15世が亡くなる前にはヴェルサイユ宮殿を出ることになるわ。
宗教的な手続きの都合上、ルイ15世の意識が亡くなる前にデュ・バリー夫人は王様の元を去らなくてはいけなかったのね。
時期王妃には嫌われているし、これからどうなるのか不安よね。
そんなタイミングでの占いよ。
デュ・バリー夫人のルノルマンカード・グランタブローの結果
さぁ、結果を見ていくわよ!
グランタブローの結果はこうだったわ。
ドゥ・バリー夫人を表す淑女のカードは、上から二段目の左から3列目ね。
4列目移行が彼女の未来に相当するから、意外と彼女は宮殿を出てすぐに殺されたりすることはなく、未来はちゃんとあるってことね!
しかも未来の領域には犬や太陽、星のカードがあって、決して不遇ではなさそうね。
彼女は余り過去や今にはこだわりが無くて、
「明日から自分がどうなるか?」
「何に気をつけて生きていけばいいか?」
を気にしていたわ。
だから普段なら淑女のカードの周辺を中心にしてカードを読んでいくけれど、この時は未来のカードを中心に見ていったわ。
彼女が気にする部分が具体的だったから、未来の領域に対してハウス読みというリーディング方法を使ったわ。
ハウス読みに関しては、こちらのブログが分かりやすく説明しているから、気になったら見てみてね。
こちらのブログで紹介されている、ハウスグランタブローマット、欲しいわ…
話を戻しましょう!
まず気になるのは「蓄えやパワー」を表すハウスにいるネズミのカードね。
ネズミのカードは、誰かが利益をかすめ取っていることを指しているから、ドゥ・バリー夫人はコソコソと誰かにかすめ取られていくってコトになるわ。
ただし、それほど大きな額ではないから、都度都度対応していけば問題ないわ。
「用心すべきこと」のハウスには、鞭のカードが出たわ。
コレは「非難を浴びる」と言う事ね。
そしてこれは、必要以上に避難される可能性も秘めているわ。
これが「問題や悪意」の話に繋がっていくわ。
「問題や悪意」のハウスには船のカードがあるわ。
彼女に対する風当たりが強くなったら、「海外に逃げるのが良い」と解釈したの。
船の両隣に道と指輪のカードがあることから、海外に逃げる際に「何かを取捨選択し、そして逃げた先で新たな契約を結ぶ」と読んだわ。
彼女は宮殿を出た後も愛人業を続けたわけなんだけど、そういった契約を意味していると感じるわね。
「選択」のハウスに太陽のカードがあることから、全体として彼女がしていく選択に大きなミスはなく成功やチャンスに繋がるわ!
最期はカードからのメッセージね。
カードのメッセージはこの4枚。
彼女を騙そうとしている男性の存在によって、別れや終わりが待っているという事ね。
デュ・バリー夫人の性格、そして最期
今回は、フランス国王ルイ15世の最後の愛妾デュ・バリー夫人を占ってみたわ。
彼女の本名は ジャンヌ・ベキュ。
ポンパドゥール侯爵夫人もブルジョワ(庶民)出身だったけれど、彼女はもっと身分の低いお針子からの大出世よ!
デュ・バリー夫人は、ルイ15世の命の灯が消えるのに伴って、宗教上の理由からベルサイユ宮殿を出た後、ポン・トー・ダム修道院に幽閉されたわ。
けれど、もともとが庶民出身だったことと、彼女の朗らかな性格がここでもきっと活かされたのね。
修道院の生活にも馴染んで、最終的には修道院の人たちともうまくやっていたみたい。
その後は、宮廷内に残っている彼女のパトロンのお陰でパリ郊外のリュシエンヌに移り住んで、割と豪勢に暮らしたわ。
彼女はフランス革命の時はイギリスに逃げて、フランス国内の亡命貴族の手助けをしていたと言われているわ。
そして、革命最中のフランスへ戻り、公安委員会に捕まって処刑されたわ。
なぜ、革命の熱が冷めないフランスへ戻ったのかは謎とされているわね。
彼女の城に残っていた宝石や財産を回収しに来たという説もあるけれど、定説とするには根拠に欠けていて、謎のままなの。
彼女の手紙や日記が出て来て、この謎が解ける日が来たら・・・と思うと、興味深いわ。
ところで、彼女にはザモールという黒人奴隷がいたわ。
彼が公安委員会に、
「デュ・バリー夫人が逃亡貴族の手伝いをしている」
と告発したために、彼女は公安委員会に捕まり処刑されたわ。
カードのメッセージにあった、
「彼女を騙そうとしている男性」
とは、ザモールの事なのか?
というと、カードの意味としては違うように感じるわ。
紳士のカードと奴隷は繋がらない気がするの。
なんとなく、カードのメッセージは、
彼女を騙そうとしている男性がいて、その男性と別れなければ終わり
というふうにも読めるわ。
彼女と親しい間柄にあった男性がいて、その男性が彼女を唆してフランスへ向かわせた。
そしてフランスではザモールの告発をきっかけとして断頭台へ上がった。
なんて、考察してみたわ。
これは、史実では無くて妄想よ!
彼女が何故、革命の熱が冷めやらない時期にパリに帰ったのか。
この謎が分かっても歴史が塗り替わるようなことはないけれど、興味は尽きないわよね。
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参考文献
- 飯塚信雄. デュバリー伯爵夫人と王妃マリ・アントワネット – ロココの落日. 文化出版局. 1985
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